「時間を感じる力」が、人生と仕事を変えていく 22/52
- 中明知也
- 5月26日
- 読了時間: 6分
更新日:6月26日
株式会社Minato 代表取締役 中明知也

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■ はじめに:息子との会話から見えた“本音”と“気づき”
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みなさん、こんにちは。
株式会社Minatoの中明知也です。
気温もだんだんと夏に近づき、日差しが少しずつ強くなってきましたね。
いかがお過ごしでしょうか?
今日は少し、プライベートの話から入らせてください。
先日、息子が私のところに来て、「サッカーを辞めたい」と話してきました。
突然のことだったので、驚きつつも理由を聞くと、最初は「嫌なお友達がいるから」と答えました。
けれど、どこか言いづらそうな様子だったので、「本当にそれだけかな?」と問いかけを続けていくと、少し間を置いて、こう言いました。
「本当はね……バスケットボールがやってみたいの」
それを聞いて、私は心の中で少しホッとしました。
“何かをやめたい”のではなく、“何かをやりたい”という前向きな気持ちがあったからです。
早速その週末、土日の両方で近所のバスケットボールクラブの見学に行きました。
2時間近く、ランニングやステップなどの基礎練習を見学したのですが、本人は終始楽しそうにしていて、やっぱり「やりたいこと」が見つかるって、素晴らしいことだなと改めて感じました。
その中で印象的だったのが、練習メニューのひとつ。
「30秒でコート1周」「20秒で1周」など、時間を基準に動きをコントロールするというものでした。
この練習、ただの基礎体力づくりではなく、「時間感覚」を体で覚えさせる、とても良いトレーニングだなと感心しました。
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■ 本音を引き出すのは、意外と難しい
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今回の息子とのやりとりの中で、私がもうひとつ感じたのは、人は意外と「本音」を話せないものだということです。
子どもだから表現がたどたどしい、というのもありますが、大人でも同じです。
本当に考えていること、望んでいること、悩んでいること——それを言語化して、相手に正確に伝えるのは、実はとても難しい。
仕事の中でも、同じようなことがよくあります。
「話してくれている内容」と「本当に考えていること」が違うように感じることもあれば、言葉には出さないけれど、表情や態度から伝わってくる何かを感じ取ることもあります。
だからこそ、私たちは「話してくれる前提」でコミュニケーションを進めるのではなく、相手の本音を引き出せるような問いかけや関係性を意識することが、ますます重要になってきていると思います。
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■ 本日のテーマ:「時間を感じる力」とは何か?
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さて、今回の本題に入っていきます。
息子のバスケットボール練習の中で行われていた「30秒で1周、20秒で1周」というメニュー。この練習を見ていて、私はふと、自分自身の「時間感覚」について考えるようになりました。
ありがたいことに、私は昔からわりと時間の見積もりやスケジューリングが得意な方です。
1時間あればこれくらいの作業ができる、移動に15分かかるから○時に出れば間に合う、など、時間に対する“肌感覚”はかなり自信があります。
ただ、それは生まれつきのものではなく、日々の仕事や習慣の中で自然と磨かれてきたものだと感じています。
「時間をうまく扱える人」と「時間に振り回される人」の差はどこにあるのか?その答えのひとつが、**時間認知(Time Perception)**という概念にあります。
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■ 時間認知とは何か?
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時間認知とは、「今、どれくらいの時間が経ったか」「あとどれくらいあるか」など、主観的な時間の感覚を捉える力のことを指します。
これは心理学や神経科学でも研究されているテーマで、人間は“内的な時計”をもとに、ある程度の時間を体感で把握することができるとされています。
たとえば…
楽しい時間はあっという間に過ぎる
退屈な時間はやたらと長く感じる
緊張していると時間が遅く進むように感じる
こういった体験、誰にでもありますよね。つまり、「時間」は常に一定のスピードで進んでいるわけではなく、“感じ方”によって大きく変化するということです。
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■ 時間認知を鍛える方法
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では、この「時間を感じる力」は鍛えられるのでしょうか?
答えはYESです。
実際に、時間認知のトレーニングとしては以下のような方法が挙げられています。
1. ストップウォッチ練習
ストップウォッチを見ずに「30秒経った」と感じたら止める練習を繰り返す。感覚と現実のズレを可視化していくことで、時間感覚が鍛えられる。
2. ポモドーロ・テクニック
25分作業+5分休憩のサイクルで作業を管理する方法。集中時間と休憩のリズムを身体に覚えさせることで、時間管理能力を向上させる。
3. 行動ジャーナル
1日の行動を15分単位で記録し、時間の使い方を可視化。実際の行動と感覚とのズレを認識することで、見積もり力が向上する。
4. マインドフルネス瞑想
「今この瞬間」に意識を集中する習慣を取り入れることで、現在の体感時間に対する感度が上がる。
こうしたトレーニングを継続することで、時間の見積もり・計画・実行の精度が高まっていきます。
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■ 計画と行動をつなぐ「時間感覚」
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ビジネスにおいても、時間感覚の精度は非常に重要です。
たとえば…
プレゼンの持ち時間を守れる人
タスクの所要時間を正しく見積もれる人
スケジュールに“余白”を作れる人
こうした人たちは、時間を「感覚」ではなく「道具」として使いこなしています。その根底にあるのが、「時間の流れを実感する力=時間認知」なのです。
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■ 作業時間を見誤る人こそ、PDCAを回そう
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「この作業、30分で終わると思ってたのに、結局1時間半かかった…」こういう経験、誰しも一度はあると思います。
しかし、これを「まあ仕方ない」で済ませるか、「なぜ時間の見積もりがズレたのか?」と振り返れるかで、その後の成長スピードは大きく変わります。
時間感覚のズレは、PDCA(計画→実行→評価→改善)の中の「評価」と「改善」を繰り返すことで、徐々に補正されていきます。
むしろ、時間を見誤る経験が多い人こそ、PDCAの習慣を持つべきです。
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■ おわりに
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最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今回のテーマ「時間を感じる力」は、私自身も息子のバスケ練習を見ながら、改めて気づかされたものです。人生も仕事も、「時間」という限られたリソースの中でどう動くかが鍵になります。
そのときに必要なのは、時計を見ること以上に、“時間を感じる力”を磨くことだと思います。
自分の体内時計を正確に calibrate(調整)できるようになると、計画はより現実的になり、行動にも無駄がなくなります。
時間を大切にするというのは、人生を大切にするということ。これからも、そんな視点を大事にしながら、仕事も、子育ても、丁寧に向き合っていきたいと思います。
今日も、読んでくださったあなたの時間に、感謝を込めて。
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