既にMinatoが推進する事業4つあることについては過去のブログで触れていますが(参照:【Minatoの事業】事業戦略(その1))SI事業と格安SIM事業についてはまだ詳しくお話していませんでしたので、今回はSI事業についてです。
Minatoの基礎とも言うべきSI事業ですが、Minatoがどういう考え方でこの事業に取り組んでいるかが今回のテーマです。
SI事業とは?
Minatoが創業から取り組んでいた事業がSI事業です。
これは今も大事な事業のひとつなのですが、システムに携わってない方だと「SIってそもそも何?」と感じることも多いと思います。
SI(システムインテグレーション)
あるサイトではこう定義されています。
「部門などを超え、横断的にパソコンとソフトウェアとネットワークなどを連携させ一体化することで、利便性を向上させたり、効率性を飛躍させたり、新たなサービスを生み出したりするシステムを作ることを指します。その全体像を定義・設計し、開発・構築する。そして出来あがったものを運用し、保守・管理する。その行程すべてをまとめてSIと呼ぶのです。」
「システム開発」と言えばそれまでですが、システム開発には行程がありその全てを担うのがSI'er(システムインテグレーター)という存在です。
日本にも大手から中堅、中小と様々なSI'erが存在し、Minatoもそのうちの1社となります。
Minatoが創業してからまず取り組んだのがこのSI事業であり、現在も大手企業はじめ様々なお客様のSIを担わせていただいてます。
Minatoのこだわり
Minatoではいわゆる下請け、孫請けの類のお仕事は受けず、プライム(エンドユーザーとダイレクトにやり取りする立場)にこだわりがあります。
時代は少し遡ります。
一昔前までは、今のようにパッケージ製品が世の中にあふれて企業規模にかかわらず、どの企業もシステムというものを手軽にかつ安価に使えるような時代ではなく、システムの構築は基本的にスクラッチ(1から作り上げるシステム)開発が主流でした。
大手エンドユーザーのシステムともなれば〇百人月とかも珍しくない、それはそれは大規模なシステム開発が様々な企業で行われていたのですが(今もなくなったわけではありませんが)、その際システムを作る側と言えば、多重構造による受託開発が一般的でした。
多重構造
エンドユーザー → 元請け → 一次請け → 二次(孫)請け → 三次請け ・・・
このようにエンドユーザーから末端に至るまで複数の企業が縦に並ぶこの受託体制を多重構造と呼んでいたのですが、建設業界などでもよく見られた形ですね。
(末端の方になると「IT土方」なんて揶揄されたりもします)
この構造にはいくつか問題があるのですが、大きくは以下が挙げられます。
①開発費用の高騰
②不当な価格設定
③意思疎通の不備
これだけ縦に多くの企業が介在すれば当然エンドユーザーのシステム構築にかかる費用は高くなりますし(中間マージンが発生しますので)、一方で末端に行けば行くほど買い叩かれるような事象が横行します。
またシステム要件も伝言ゲームの状態になって意思疎通がうまくいかず、トラブルを招く大きな要因にもなります。(これだけが理由ではありませんが、当時はデスマーチと呼ばれる不眠不休のプロジェクトはよくある話で、私もこれに巻き込まれて過ごした一人です。)
また末端に近いほど、プロジェクトのほんの一部機能の開発なんかをやったりするので、自分たちが関わっているシステムは一体何のためのシステムなのかもよく分からないまま、ただただ言われたとおりのものを作ることに徹したりします。
Minatoではこの構造に参加するようなプロジェクトには基本的に手を出さず、前述にあるSIの定義(その全体像を定義・設計し、開発・構築する)にこだわるためエンドユーザーと直接の立場でやらせていただいています。
※顧客のサービスをちゃんと理解して、そのためにSI'erとして全体像からちゃんと考えること、時にはこちらから提案などすることこそ大事だし、Minatoの存在意義だと思っているので。
また不当な価格の値下げなんかも基本的には応じません。
※顧客側にも予算はありますし少しでも費用を抑えたい気持ちがあることは十分に理解していますが、不当な価格で請け負ってしまえば、どこかで無理や、歪が生じますし、そういった仕事は結局長続きしませんので。
ただその分「顧客に満足してもらうため」を意識してSI事業に取り組んでもいます。
Minatoが考えるSI事業
SI'erというのは、目に見える製品やサービスを持つわけではないので、過去のブログにも記載しましたが他社との比較が非常に難しくもあります。
「うちは技術力に自信があります。」「うちは他社より安くできます」・・・
技術は何で測ればいいのか?技術があるとどんな恩恵を受けれるのか?他社より安いのはありがたいが何で安くできるのか?・・・・
目に見え、さらにまったく同じ条件で比較できればいいのですが、そうもいかないのがSIというものなのでやっぱり分かりづらいですね。
(技術力についてのMinatoの考え方はこちらを参照ください。【Minatoの流儀】技術力について)
技術も価格ももちろん大事な要素ですが、妥当な価格で、納期を遵守して、一定の品質を担保し、などある意味当たり前のことを行っていれば、顧客が何をもって満足していただけるかというと2つではないかと考えています。
①事前期待を超えること
②人間力が備わっていること
まず①ですが、以前とある方の講演で「サービスサイエンス」の話を聞く機会がありました。
その中で「顧客満足度は顧客の事前期待を超えたときに上がる」という話があり、妙に納得して印象に残っています。
我々も日常でよく経験することなんですが、例えば初めて行くお店で食べる前に想像していた料理より、はるかに美味しい料理が出てきたりすると満足度が上がってまた来ようってなりますよね。
またあるいは、思いのほか店員さんのサービスが良かったとかも同様に満足度は上がります。
SIにおいても同じで、顧客の要求とおりにシステムを作ることは「〇」であることは間違いありませんが、それを上回る何かがあったとき(例えば、こちらから提案してそれが顧客にとってプラスであったときとか)「◎」になります。
これって②の人間力にもつながる話だと考えていて、ただただ言われるものを言われたとおりに作る人と顧客の立場、目線で顧客のために考える姿勢を持ちつつ作る人ではやはり印象は全然違うと思います。
Minatoが採用なんかでも「人間力」を重視しているのは、Minatoの事業の根幹をなすものは「人」であり、事業とは「人」があってこそのもの、「人」次第で良くも悪くもなるものと考えているからです。
まとめ
MiantoのSI事業についてまとめると・・・
①プライムにこだわる
②不当な価格では請けない
③「顧客に満足してもらう」を意識する
SIというものは時代とともにその形を変え、そうした中でも無形のこのサービスをいかに市場や顧客に認知してもらい提供していくか・・・特にコロナ禍における現状においては事業拡大も思うようにままならず難しいテーマだと思います。
Minatoもまだまだ模索中ではありますが、Minatoが推進する他事業のベースともなるのがこのSI事業なので、あくなき探求、追求をこれからも続けていきたいと思います。
さて次回は「格安SIM事業」についてお話させていただきます。
雑談
私は現在神戸に住んでいるのですが、今年6月に関西に来たときは奈良にある実家に居候していて、神戸の住居が決まるまではそれこそ最初は物件の下見から鍵の引き渡し、荷物の移動などで何度か奈良と神戸を往復しました。
以前関西に住んでいたころは奈良から神戸に行くには、近鉄で難波か地下鉄中央線で本町に出て、そこで御堂筋線に乗り換えて梅田に出て、さらにJR(か阪急か阪神か)に乗り換えて神戸に行くというパターンだったので時間もかかるし面倒くさいしという印象がありましたが、今は近鉄と阪神が相互乗り入れしているおかげで奈良から三宮まで乗り換えなしでいけることに、あまりの便利さから感動すら覚えました(笑)
首都圏では当たり前の相互乗り入れですが、実は関西ではJRと私鉄の相互乗り入れがありません。
また関西5大私鉄(阪急、阪神、京阪、近鉄、南海)同士でもこれまでは相互乗り入れはなかったので、私の中では近鉄と阪神の相互乗り入れは画期的と言えるものでもありましたし、やっぱり便利であることを実感しています。
関西の交通インフラの整備も進んでますね。
ところでJRは「三ノ宮」、私鉄他は「三宮」と表記します。
もちろん経緯、由来はあるようですが、神戸に来て日の浅い私にとってまだこの違いに違和感を感じてます(笑)